好奇心を持ち続ける仕組み

長い人生の後半の日々の暮らし方。避けては通れないこのお題に向き合って、これからも楽しく愉快に生きていけそうな気がしてきました。

 

 

人生100年時代が問いかけるもの

みなさん、突然死は不幸だと思いますか?

老衰は幸せだと思いますか?

 

3月の孫子女子勉強会は、田中先生からのこんな問いかけから始まりました。考えたこともなかった問いでした。けれども、言われてみれば、無意識のうちに「突然死は不幸なこと、天寿を全うすることが幸せなこと」と思い込んでいたように思います。

 

田中先生がこう問いかけたのは、人生100年時代の断面に親の介護問題があり、ひいては自分の行く末の問題があることを背景にしたものが、この日のテーマだったからです。

 

人生100年時代を枕詞にして、いかにして長く働き続けるかがよく語られます。定年延長がその最たるものです。が、この日のテーマは、働くことだけにとどまらず、長い人生の後半の日々の暮らし方、考え方についてを問うものでした。

 

老計

こんなふわりとした問いに向き合う時に、考える手がかりを示してくれるのが孫子女子勉強会です。この日、田中先生が紹介してくれた孫子の兵法の一節がこれでした。

 

算多きは勝ち、算少なきは勝たず

 

「勝利の条件が多い方が実戦でも勝利し、勝利の条件が少ない方は実戦でも敗北する」

の意です。

 

これを今回のテーマにあてはめて考えるならば、長い人生の後半の暮らし方について、あらかじめ考え方の準備しておけば、意にかなった暮らし方ができることになります。

 

田中先生は、より掘り下げて考えるための手がかりとして、歴代総理大臣の相談役をつとめた安岡正篤著作の「人生の五計」を紹介してくれました。

 

生計: いかに生きる力をつけるか

身計: いかに身を立てるか

家計: いかに家族をもつか

老計: いかに老いるか

死計: いかに死を迎えるか

 

勉強会メンバーの多くの関心は老計に集まりました。死計を考えるには早すぎるし、生計、身計、家計はすでにある程度は確立しているからです。

 

続いて、田中先生から、いかに老いるかについての提示が・・・

 

 

 

 

 

なされるはずがありません。人生の五計は誰かに教えられるものではなく、自分で考え、つかみとり、実践していくものだからです。

 

好奇心が発動する仕組み

勉強会で老計について考えるというお題をもらってから、無意識のうちに考えている自分がいました。老いを考えた時に、私にとって最も大事なことは、好奇心をもって日々を暮らすことでした。身体の衰えは受け入れるしかありませんが、ワクワクする気持ちが衰えることは到底受け入れられません。

 

だとしたら、自分の好奇心が発動する仕組みを知り、それが持続する仕組みを今から準備しておくことが私の老計になります。

 

そこで、自分の好奇心が発動する仕組みを客観的に見つめてみました。自分の好奇心が発動するのは、知的作業を行っている時です。そして、知的作業は5つのプロセスに分解できます。

 

好奇心が発動する仕組み

 

①インプット

はじめに外部から様々なインプットを行います。

 

②発想

インプットしたものをどう仕立てるかをあれこれ考えを巡らせます。

 

③アウトプット

発想したものを整理しながらカタチにします。

 

④伝達

カタチになったものは他の人に伝達されます。

 

⑤反応

アウトプットが伝達されると、それに対する反応が得られます。

 

この中で、好奇心が発動するのは、②と③と⑤です。

 

例えば、このブログを書く時、勉強会で得られたインプットとお題をもとに、自分はどう考えるかを考えるのが②です。この作業は、日課にしている散歩をしている時に無意識的に行っています。季節の変化を感じながら楽しく歩いていると、ある瞬間に、「そうか!そういうことか!」と、突然にお題に対する答えが見つかるというのがよくあるパターンです。この「そうか!」に出会う瞬間に好奇心が発動されます。

 

②のプロセスで答えの大筋は見つかりますが、実際にアウトプットするとなると、論理立てや細部の詰めが必要になります。ですから、アウトプットのプロセスにおいても、やはり、「そうか!」という発見があります。そして、その時に好奇心が発動されます。

 

⑤他者からの反応が得られた時には、「このテーマは関心が高いのか/高くないのか、そこが受けるのか、このテーマはこの人に響くのか」などの発見があります。この時にも好奇心が発動されます。

 

つまり、私の場合は、何かしらの新しい発見に出会う時に好奇心が発動されるのだとわかりました。

 

 

好奇心を持ち続ける仕組み

 

次に必要なのは、持続的に好奇心が発動する仕組みをつくることです。

 

幸いなことに、今は、ワクワクしながら毎日を過ごすことができています。ですから、今、何が好奇心を発動するネタになっているかを解明することにしました。そこで、私が散歩をしながら無意識に考えているネタは何かを思い返してみたところ、3つのネタが見つかりました。

 

好奇心を持ち続ける仕組み

 

①仕事のネタ

孫子女子勉強会のネタ

③自主プロジェクトのネタ

 

①仕事は課題解決そのものなので、考えるネタには困りません。散歩中は業務時間外にも関わらず、ついつい仕事のネタを考えてしまいます。そして、PCに向かっている時よりも散歩中の方がはるかにいいアイデアが浮かびます。仕事では解決のアウトプットは必須ですし、それに対するフィードバックも当然あります。

 

余談になりますが。。。「在宅勤務になって仕事の生産性が上がったと思いますか」という会社からのアンケートには、迷うことなく「とてもそう思う」を回答しています。

 

②月に1回の孫子女子勉強会は、毎回、考えるネタを提供してくれます。お題に対してブログを書くことで、勉強会後にも新たな発見があります。勉強会仲間がくれるブログへの反応から、さらに学びを得ることもできます。

 

③仕事とは別に、とあるご縁でつながった方と一緒に自主プロジェクトを行っています。こちらは自主的に行っているものなので、進め方も含めて考えるネタは尽きません。プロジェクトパートナーからのフィードバックも得られます。

 

3つの考えるネタは、それぞれに異なる位置づけになっているのも嬉しい状態です。

①仕事で稼ぎ、②勉強会で学び、③自主プロジェクトでは試すことを行っています。

 

しかもそれぞれがバラバラではありません。3つが有機的につながっています。学んだことは、仕事にも自主プロジェクトにも活かしています。仕事や自主プロジェクトでの経験が、学びをより深めてくれます。仕事と自主プロジェクトは無関係の内容ですが、抽象度を上げれば、その経験が双方に活きてきます。

 

仕事だけでなく、それ以外にも考えるネタを持ち続けることが、持続的に好奇心が発動し続ける仕組みであるとわかりました。

 

最も重要な結論は、私の老計は、孫子女子勉強会抜きでは成立しないということです。という次第ゆえ、田中先生、勉強会仲間の皆様、これからも末永くよろしくお願いいたします!