一足早い夏祭り気分でリアル開催された2023年6月の孫子女子勉強会。得られた最大の学びは勉強会の内容ではなく。。。
働くに関する問題
人生100年時代の言葉の定着とともに、働く期間の長期化と働くに関する問題にも関心が高まっている今日この頃です。孫子女子勉強会でも頻繁にとりあげられるようになったテーマでもあります。
これに関して、田中先生から2つの切り口で問題提起がありました。
1つは、スキルのミスマッチの問題です。人口が減り続ける中で、人材不足の問題は深刻さを増しています。深刻な人材不足がある一方で、仕事がないと嘆く人がいます。スキルの要求水準が高い募集側と要求水準に届かないスキルの応募側。スキルのミスマッチが生じていると田中先生は言います。
私自身もつい先日、こんな経験をしました。ランチをしようと訪れたお店が閉まっていたのです。ドアには「人手不足のためしばらく休業します」という貼り紙が貼られていました。その貼り紙は、これから至るところで人手不足を原因とする事業継続困難がおきる予兆を告げているようでした。
人材不足なんだから、仕事がなくなることはなく給料も上がると思うのは短絡的過ぎます。なぜなら、人材不足に対するソリューションとしてのAIが現実化しているからです。今や競争相手はAIでもあるのです。
もう1つの問題は、自分のリズムに合わない働き方からくるストレスです。スキルに問題がなくても自分のペースに合わない仕事をしていると、それがストレスの原因になり、ひいては健康を害する結果を招くことにもなりかねません。
働く問題にリズムの視点をもってくるところが田中先生ならではです。仕事といえばスキルの問題にばかり目が行きがちですが、実は、リズムが合うかどうかはスキル以上に大事なことです。リズムはスキルを発揮する土台となるものだからです。
長く働くための孫子の兵法的アプローチ
問題が提起された後に紹介された問題解決へのアプローチは、巷で言われるところのリスキリングなどとは一線を画しています。紹介されたのは孫子の兵法からの一節です。
孫子の兵法の軍争篇には有利に戦うための4つのポイントが説かれています。
気(士気) 気力のバイオリズムにあわせて戦う
心(心理) 敵の心理状態が乱れたところで戦う
力(戦力) 敵が疲れたところで戦う
変(変化) 正面衝突を避ける
孫子の兵法は精神論ではなく現実的なロジックであると田中先生は言います。要求されるスキルやリズムに根性で合わせようとするのではなく、自分にとって有利な組織や内容、リズムで戦うのが孫子の兵法的アプローチです。
相手が人間であれば、気・心・力・変の4つがポイントになるのでしょうが、相手がAIとなると話は違ってきます。何しろ、AIには士気もなければ心理戦も通用しない、疲れることもないのですから。
リズムもなく疲れを知らない相手と戦うとなれば、自分のリズムを知って、自分が一番のっている状態で戦うしかありません。あとは、AIが得意なことに真正面から勝負を挑むことは避けることでしょうか。
いずれにしても、ただがむしゃらに頑張って仕事をするだけでは、長く働き続けることはできません。自分はどこで何の仕事をどんな時間ペースでやれば心地よく働けるのか。それを知り、その状況にゆっくりでも確実にシフトしていく。それが長く働くための唯一最適なソリューションなのだろうと思います。
学びと懇親会のマリアージュ
この日は勉強会仲間のオフィスを借りて、一足早い夏祭り気分での開催となりました。福岡と群馬からの参加者も加わって、久しぶりに大人数がリアルに集まりました。テーブルには、それぞれが懇親会用に持ち寄った食べ物がずらりと並んでいました。
目の前に広がる美味しそうな食べ物に我慢しきれず、いつもより早めに勉強会は終了。そしてオンライン参加組とつなげたままに懇親会に突入。ひたすらにおしゃべりして、笑って、食べて、あっという間に時間が過ぎました。
コロナ前の当たり前にあった景色が戻ってきた感慨深さに浸りつつ、この得も言われぬ感覚はなんだろうと考えていました。勉強会で共に学ぶ充実感だけでもない、美味しいものを一緒に食べる楽しさだけでもない。
共に学んだ後に食事をしながら語りあう喜び。ああ、これだー。頭で考えるより身体が教えてくれました。
今回の勉強会での最大の学びは、勉強会の内容よりも断然にこれ。
学びと懇親会のマリアージュの素晴らしさ
コロナで長らくオンライン勉強会を経験したからこそ気づけたことでした。これも「患をもって利となす」と言ってよいんですよね、きっと。