言動の裏メッセージを読みとって、危険な人物には近づかないようにする。孫子女子勉強会では、そんなことも学びます。
危険な人物の見分け方
2022年2月の孫子女子勉強会は、田中先生のこんな問いかけから始まりました。
「皆さんは、危険な人物をどうやって見分けますか?
孫子の兵法でも、数少ない情報から人の動きを読み取ることについて書かれていますよね」
この日は、孫子の兵法の具体的な一節の提示はありませんでしたが、過去の勉強会でも同様のテーマがあったなあと、うっすらとした記憶がよみがえります。
過去の記録を探してみると、2020年10月の勉強会でとりあげた一節が見つかりました。
辞を卑くして備えを益す者は進むなり。辞の強くして進駆する者は退くなり。約なくして和を請う者は謀なり。軽車の先ず出でて其の側に居る者は陳するなり。奔走して兵を陳ぬる者は期するなり。半進半退する者は誘うなり。
この一節は、敵の行動と、その行動の裏にある意図を分析したものです。五感を鍛えて人を読み取る力を鍛えようというのが、2020年10月の勉強会のテーマでした。
田中先生の問いかけに応じて、それぞれが危険な人物と感じた体験談を語り始めました。
危険な人物例その1
危険な人物例として挙げられた1例目は、「メールの数が多い」でした。1つの案件に関して、なんと50件ものメールを送ってきた事例があるそうです。
質問を思いつくたびに1通のメールにして送り、それが積もり積もって50通にもなったそうです。受け取ったメールを読む時間、返信する負担を想像すれば、こうはならないはずです。1通のメールでまとめて質問する、メールの数や長さを減らす、そういった配慮がなされるはずです。
そのような配慮がなされなかったのは、その裏側に、仕事の優劣がついていない事情があると想像しました。
危険な人物例その2
危険な人物例の2例目は、「ライティングのアウトプットの質が低い」でした。
わかりやすく書かれている文章ではあるけれど、わかりやすさだけを追求した質の低いものがあると問題提起されました。
わかりやすさだけを追求した文章の裏側には、「わかりやすいヒントを求めていますよね」と、読者に対する敬意が失われていると想像しました。
言動の裏メッセージ
その他にもいくつかの危険な人物例が挙げられました。それらをまとめると、見えてくるものがあります。
私たちが意識的・無意識的に行っている言動の裏側には、スキル・想像力・価値観などがあります。どんなに言動を取り繕っていても、その裏側にあるものが裏メッセージとして発信されてしまいます。
孫子女子勉強会では、言動の裏にある裏メッセージを読みとって危険な人物を見分け、そういう人には近づかないようになることを学んでいます。
孫子女子勉強会の表と裏
この日の勉強会は、田中先生からのスライドを提示しながらの講義もなく、孫子の兵法の一節の具体的な提示もなく、雑談的に危険な人物について語り合いました。知らない人がこっそり覗き見したならば、愚痴大会に見えたかもしれません。
愚痴大会的な形式にまやかされて、私もあやうくこの回の勉強会ブログをスキップしそうになりました。けれども、孫子女子勉強会がただの愚痴大会であろうはずがありません。危険な人物の言動やその裏メッセージを他山の石として、それぞれが自分なりの気づきを得た時間でした。
講義もスライドもレジュメもなく、愚痴っぽい内容を語り合っている中でも、孫子の兵法的思考を手がかりに、自分自身で学びを獲得していくのが孫子女子勉強会です。B動機で集まったメンバーだからこそ成り立つ学びのカタチです。今回の勉強会で私が得た学びです。