自分的成功と自分的失敗

2021年最後の孫子女子勉強会は、大きな課題をもらった回でした。課題の提出は義務づけられていませんが、新年を気持ちよく迎えるために、ブログのカタチで提出したいと思います。

 

 

ビジネスパーソンの4象限

ビジネスパーソンとはビジネスを行う人のことです。何ごとにも上手い人と下手な人がいるように、ビジネスパーソンにも儲けの上手い人と下手な人がいます。

 

田中先生は、儲けが上手い/下手とは別に、感じのいい人と悪い人がいることに気づいたと言います。田中先生によると、ビジネスパーソンには4種類の人がいることになります。

・儲けるのが下手で、感じが悪い人

・儲けるのが上手いが、感じが悪い人

・儲けるのが下手だけど、感じがいい人

・儲けるのが上手くて、感じがいい人

 

ビジネスパーソンが4象限に分類されることはわかりましたが、それぞれの象限の人物像を理解する言葉やイメージがまだわいてきません。そのための孫子女子勉強会です。勉強会には、わかりそうだけどはっきりと理解しづらい内容を、ああなるほどと腹落ちさせてゆくプロセスがあります。

 

感じのいいお店と悪いお店について、それぞれがエピソードをまじえて披露しあう中で、4象限のイメージが浮かんできます。

 

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ビジネスパーソンの4象限

 

例えば、飲食店。飲食店の儲けの源泉はお料理です。料理の上手い/下手が、儲けの上手い/下手に直結します。けれども、どんなに料理が上手くて美味しくても、感じの悪いお店には足が向かいません。そういうことが確かにあります。

 

 

産業構造の変化

ビジネスパーソンの分類の次の話題は、産業構造の変化についてです。この20年間で産業に占めるサービス業の割合が増しているといいます。

 

かつては産業の中心であったものづくり業も、いまやサービス業化しています。ものづくり業は、つくった商品を売るだけでなく、そのメンテナンスサービスも大きな収入源になっています。つまり、産業が総サービス業化に向かっているのです

 

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ものづくり業のサービス業化

 

サービス業とは、人間が商品になるビジネスです。言い換えると、感じのいい/悪いが売上に直結するのがサービス業です。

 

 

不況になった時の儲けのポイント

景気が悪くなると、お財布の紐がかたくなり、商売人は儲けるのが難しくなります。

 

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不況時の4象限の変化

 

儲け上手な人でも、景気が良かった時と同じことをやっていると、儲けられなくなります。儲け上手な人と下手な人を分けるラインが、移動するのです。

 

ここでこの日の孫子の一節の登場です。

攻めて必ず取る者は、その守らざるところを攻むればなり

 

「攻撃して必ず奪取できるのは、敵の守っていない所を攻めるからだ」の意です。

 

不況になっても、あいているスペースをよく見れば、上手く儲けられるということです。難しいのは、単に儲けるのではなく、感じよく儲けることです。

 

・産業の総サービス業化

・サービス業では人が商品

・感じのいい人が売上に直結

・不況になるとモノが売れにくくなる

これらから、好況時に儲けが上手かった人の中で、不況によって明暗をわけるものは何かを考えた結果がこれです。

 

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サービス業の好況時と不況時の儲けのポイント

 

好況時の売上を支える変数は、商品と接客の感じの良さでした。不況時には、いい商品を感じよく接客するだけでは売れなくなります。いい商品、感じのいい接客に加えて、伝え方の感じの良さが売上を支えるポイントとして加わります。

 

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不況時の儲けの上手い人と下手な人

固くなった財布の紐をいかに感じよく緩めるられるか、それが儲けが上手い人と下手な人の明暗をわけるのではないでしょうか。

 

 

積極的失敗と消極的失敗

さて、この日の勉強会では、もう一つの重要なテーマがありました。それが、成功と失敗についてです。

 

過去の勉強会でも「合格すれば幸せか?」について考えたことがありました。合格や成功は無条件に幸せと直結するものと思いがちですが、果たして本当にそうでしょうか?成功だと思ったことが地獄への入り口になることもあると田中先生は言いました。

 

そして、失敗にもいい失敗と悪い失敗があると話は続きます。田中先生は、いい失敗のことを積極的失敗、悪い失敗のことを消極的失敗と呼びました。

 

この後は、どんな失敗が積極的失敗で、どんな失敗が消極的失敗かの解説が、

続くはずがありません。なんといっても孫子女子勉強会ですから。

 

田中先生の締めくくりの言葉は、2021年最後の勉強会の〆にふさわしいこんな言葉でした。

「大事なことは2つの失敗を区別することです。区別するためには、自分にとっての積極的失敗と消極的失敗を自分でまず定義することです。区別がついていないと、全ての失敗を避けようとして、積極的失敗をしなくなります」

 

自分的成功と自分的失敗

自分にとっての積極的失敗と消極的失敗を定義するという宿題をもらったわけですから、この課題を終わらせないことには2021年をしめくくれません。

 

私がまず考えたのは、積極的失敗と消極的失敗があるのなら、積極的成功と消極的成功もあるということです。こう考えると、第三者的、数値的に見た成功/失敗とは別に、自分的な成功と失敗の定義があることが見えてきます。自分にとっての成功と失敗の定義をすれば、自ずと積極的失敗と消極的失敗も定まります。

 

これまでを振り返ってみて、これからを見据えて、私にとっての成功か失敗かは、結果ではないことに真っ先に気づきました。

 

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自分的成功と自分的失敗

 

自分にとっての何がしかの新しい要素があるか、チャレンジ的な要素があるか、それにいかに挑めたかが、私にとっての成功です。結果が成功でも失敗でも、新しいことに向き合った過程で学びが得られるからです。

 

人から成功だと言われることがあっても、何ひとつ新しい要素をつけ加えることなく、過去にやったことをなぞっただけのことは、私にとっては成功とは呼べません。実際のところ、世の中がどんどん変化していく中で、同じことをやり続けて成功するはずもありません。

 

何がしかの新しい要素には、純粋に興味を掻き立てられます。この先に何がおこるのだろうと、ワクワクする感じが大好きなのです。そういう気持ちをもって、コトに向き合いたいのです。

 

世の中、結果として上手くいくことはそうそうありません。それでも、何かひとつでも新しい要素を加えて、ワクワクする気持ちでコトに向き合うことはできます。2022年も積極的失敗をたくさんしようと思います。そう思うと、来年はどんな新しいことに出会えるのかと、今からワクワクします。