人の魅力とは?

10月30日に瀬戸芸鑑賞で訪れた本島。アート鑑賞以上に惹かれた島の美しさの探求から人の魅力について考察しました。

 

本島

本島は香川県岡山県の真ん中あたりに位置し、周囲が16.4Km、人口500人弱の島です。点在しているアート作品を見てまわるならレンタルサイクルが便利だけれども、早い時間帯に島に着かないと自転車は出払ってしまうという情報がウェブに掲載されていました。実際、この日の来島者数は島の人口の倍近い938人もいました。

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丸亀港を9時に出発した汽船は本島で向かう人でいっぱいでした。天気が良かったので甲板から見える瀬戸内の景色を写真におさめる人もたくさんいましたが、本島が見え始めると甲板にいた人達がぞろぞろと船を降りる階に移動し始めました。レンタサイクルのことを思い出して、私もあわてて甲板から移動しました。

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案の定、降りた途端にレンタサイクルの待ち行列ができました。電動式自転車は早々に売り切れましたが、私はなんとか自転車を借りることができました。晴れた空のもとを海沿いの道を自転車で走るのはとても気持ちのよいものでした。

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笠島町並み保存地区

本島には江戸時代から大正時代にかけての町家形式の住宅が残っている笠島町並み保存地区があります。笠島は本島の観光スポットにもなっているようです。

 

笠島の町並みを歩いていると、過去の時代にタイムスリップしたような気分になりました。町並みという言葉の通り、町全体の統一感のある住宅が並んだ様は美しいの一言に尽きました。

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多島美

アート作品は主に島の東側に集中していましたが、アート作品観賞後に船が出るまで時間があったので、島の西側にもサイクリングに行きました。島の西側は集落を外れると、片側は山の斜面、反対側は海という道がひたすらに続くだけでしたが、島の外形に沿った道を進んで行くと瀬戸内海側に見える景色の変化を楽しめました。

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本島から見た瀬戸内海の景色を美しいと感じた理由は2つあることに気づきました。1つ目は、瀬戸内海に浮かぶ島、それもいくつもの島が重なり合ってつくり出す独特な美しさです。確かに、ひたすらに広がる大海原よりも島がある光景の方が写真映えもします。2つ目は、本島から見る方角によって異なる瀬戸内の景色に出会える楽しさです。島によって瀬戸内の景色が創り出されるがゆえに、目を向ける方角にある島なみによって異なる風景を楽しめるのです。

 

瀬戸内海にはなんと727個もの島があるそうです。瀬戸内の海のどこにいても肉眼でいずれかの島が見えるわけです。瀬戸内海の美しさを一言で言うなれば多島美です。ひとつひとつの島はありふれたものでも、これだけの数の島が集うことで独自の美しさがつくられるというわけです。

 

本島の美しさ

島を自転車で巡っての本島の印象は、一言で言うと美しい島でした。本島の中にある笠島の町並みは美しいことは確かでしたが、それ以外は島から臨む瀬戸内の海の景色の美しさで、それは島の外側にあるものでした。本島からの眺めが360度ひたすらに広大な海原が広がっているのだとしたら、これほど美しい島とは感じなかったに違いありません。本島の美しさとは、本島それ自体と瀬戸内海にある島という環境の両方からなるものでした。

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人の魅力

本島の美しさは、よく考えてみると、人の魅力と同じ構図ではないかと気がつきました。つまり、Aさんという人がいたとすると、Aさんの魅力とは、Aさん自身の魅力とAさんにつながる人々の魅力の総合体ではないでしょうか。

 

SNS時代になって、人の魅力がよく見えるようになりました。これまでも誰とつながっているかはその人の魅力を左右する重要な要素でしたが、そのつながりがSNSで可視化されることによってさらに大きな意味をもつようになりました。


例として、私の尊敬する大好きな勉強会仲間である板谷さんをあげることができます。板谷さんご自身に魅力があることは言うまでもありませんが、SNSにアップされる写真から板谷さんの周りにはいきいきとしている人達がたくさんいるように見うけられます。そのことによって、より板谷さんが魅力的に見えます。個人の魅力によって良き人たちとのつながりができ、新しいつながりによって個人の魅力が増すという好循環が生まれているのでしょう。

 

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SNSで人の魅力に関する情報も可視化されるようになりました。思考は言葉に表れると言われるように、発信される言葉からよくも悪くもその人となりが見えてしまうことがあります。また、個人にどんな人がつながっているのかも見えます。個人の魅力には寄与しない単なる知り合いなのか、個人の魅力を増すgive and takeの関係でつながっているのかもある程度見えます。

一方で、SNSのタイムラインだけを見ているといい人に見えたりすごい人に見えたりしても、実際に何かを一緒にやってみると本当はどうなのかがわかることがあります。本当の人の魅力を知るにはやはりネットの情報だけではなく、実際に会わないとダメだということでしょう。